新しい新生児スクリーニング検査の
対象疾患

ライソゾーム病

(難病情報センター:https://www.nanbyou.or.jp/entry/4063 より抜粋)
生きている細胞は、常に新しい物質を作り、体の成分としたりエネルギーとしたりしています。そして、古くなったものは分解して捨てたり再利用したりしています。この古いものを分解する場所が細胞の中にあるライソゾームというところです。したがって、ライソゾームの中には数多くの分解酵素が存在しています。この分解酵素の一つが先天的に欠損しているために起こる病気がライソゾーム病です。欠損する酵素の種類によっていろいろな病気があり、症状も異なっています。現在、約30種のライソゾーム病が知られています。症状はそれぞれの病気で異なっていますが、共通点は、ライソゾームの中に分解されない老廃物が次第に蓄積していくということです。このことから、ライソゾーム病はすべて年齢とともに次第に病気が進行して悪化していく病気です。

それぞれの病気は、一般に極めて希です。20万人に1人から10万人に1人くらいで、病気によって頻度は異なります。

ライソゾーム病は次第に悪くなる病気です。産まれてすぐは、ほとんどの場合、全く正常な赤ちゃんです。診察しただけでは、病気は全くわかりません。成長するにつれて、だんだんと症状が現れてきます。病気の種類によって症状は異なりますが、神経系の症状が出てくるものが多く見られます。お座りができていたのにできなくなったとか、歩けていたのに歩けなくなったとか、しゃべれなくなったとか、痙攣といった症状が乳児期や幼児期、あるいは学童期に起こり、だんだん進行します。それ以外に、肝臓や心臓が大きく腫れてくるとか、骨や関節が次第に曲がってくるという症状が出てくるものもあります。

さらに詳しく知りたい場合は、
小児慢性特定疾病情報センター:
 ・ムコ多糖症I型:https://www.shouman.jp/disease/details/08_06_075/
 ・ムコ多糖症II型:https://www.shouman.jp/disease/details/08_06_076/
 ・ゴーシェ病:https://www.shouman.jp/disease/details/08_06_090/
 ・ファブリー病:https://www.shouman.jp/disease/details/08_06_091/
 ・ポンペ病:https://www.shouman.jp/disease/details/08_06_097/

難病情報センター:https://www.nanbyou.or.jp/entry/4063
のホームページをご覧ください。

ページトップへ▲

原発性免疫不全症候群

(難病情報センター:https://www.nanbyou.or.jp/entry/95 より抜粋) 正常なヒトでは体内に細菌やウイルスなどの病原体が侵入すると、これらを排除する防衛反応が生じます。この仕組みが免疫系です。 原発性免疫不全症候群は、先天的に免疫系のいずれかの部分に欠陥がある疾患の総称であり、後天的に免疫力が低下するエイズなどの後天性免疫不全症候群と区別されます。障害される免疫担当細胞(たとえば、好中球、T細胞、B細胞)や補体などの種類や部位により300近くの疾患に分類されます。
原発性免疫不全症候群で問題となるのは、感染に対する抵抗力の低下です。重症感染のため 重篤な肺炎、中耳炎、膿瘍、髄膜炎などを繰り返します。時に生命の危険を生じることもあり、中耳炎の反復による難聴、肺感染の反復により気管支拡張症などの後遺症を残すこともあります。例外として補体C1インヒビター欠損では突発性に浮腫を生じます。

疾患により異なりますが、出生1万に対して毎年1人ぐらいの割合で生まれます。比較的頻度の高いX連鎖無ガンマグロブリン血症と 慢性肉芽腫症は日本全国ではともにおよそ500人から1000人近く存在すると推定されます。最も重症な重症複合免疫不全症は、アメリカ・台湾で新生児マススクリーニングが行われており、出生約5万人に1人の発生率であることが明らかになっており、日本では全国で1年間に200人近くが生まれていると考えられます。

主な症状は易感染性です。つまり、風邪症状(咳や膿性鼻汁など)がなかなか治らなかったり、何度も発熱したりし、入院治療が必要です。重症のタイプでは感染が改善せず、致死的となることもあります。好中球や抗体産生の異常による疾患では細菌感染が多く、T細胞などの異常ではウイルス感染が多い傾向があります。また、易感染性を呈さず、炎症、湿疹、自己免疫症状、リンパ節腫脹などを呈する病型も多数発見されています。

さらに詳しく知りたい場合は、
小児慢性特定疾病情報センター:https://www.shouman.jp/disease/details/10_01_001/
難病情報センター:https://www.nanbyou.or.jp/entry/95
のホームページをご覧ください。

ページトップへ▲

脊髄性筋萎縮症

(難病情報センター:https://www.nanbyou.or.jp/entry/135 より抜粋)
脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy: SMA)とは、脊髄の運動神経細胞(脊髄前角細胞)の病変によって起こる神経原性の筋萎縮症で、筋萎縮性側索硬化症(ALS)と同じ運動ニューロン病の範疇に入る病気です。体幹や四肢の筋力低下、筋萎縮を進行性に示します。小児期に発症するI 型:重症型(別名:ウェルドニッヒ・ホフマンWerdnig-Hoffmann病)、II 型:中間型(別名:デュボビッツDubowitz病)、III 型:軽症型(別名:クーゲルベルグ・ウェランダーKugelberg-Welander病)と、成人期に発症するIV型に分類されます。主に小児期に発症するSMAは第5染色体に病因遺伝子を持つ劣性遺伝性疾患ですが、成人発症のSMA IV型は遺伝子的に複数の成因の混在が考えられます。

乳児期から小児期に発症するSMAの罹患率は10万人あたり1〜2人です。I型は、出生2万人に対して1人前後と言われています。成人発症のIV型は筋萎縮性側索硬化症よりは少ないです。男女差はありません。I型は乳児期、II型は乳児期から幼児期、III型は幼児期から小児期、IV型は成人期に発症します。

全ての型で筋力低下と筋萎縮を示し、深部 腱反射の減弱・消失が見られます。
I型は生後6か月ごろまでに発症、運動発達が停止し、体幹を動かすこともできません。支えなしに座ることができず、哺乳困難、嚥下困難、誤嚥、呼吸不全を伴います。舌の細かい振えがみられます。人工呼吸器を用いない場合、死亡年齢は平均6〜9カ月、95%は18カ月までに死亡するといわれており、生命を救うためには、多くの例で気管内挿管や気管切開と人工呼吸管理が必要となります。
II型は支えなしに立ったり、歩いたりすることができません。舌の線維束性収縮、手指の振戦がみられます。成長とともに関節拘縮と側弯が著明になります。また、上気道感染に引き続いて、肺炎や無気肺になり、呼吸不全に陥ることがあります。
III型では立ったり歩いたりできていたのに、転びやすい、歩けない、立てないという症状がでてきます。次第に、上肢の挙上も困難になります。発症は幼児期、小児期です。小児期以前の発症では側弯が生じます。
IV型は成人発症です。側弯は見られませんが、発症年齢が遅いほど進行のスピードは緩やかです。下位運動ニューロンのみの障害であり、筋萎縮性側索硬化症(ALS)が上位ニューロンも障害されるのと比較されます。

さらに詳しく知りたい場合は、
小児慢性特定疾病情報センター:https://www.shouman.jp/disease/details/11_17_038/
難病情報センター:https://www.nanbyou.or.jp/entry/135
のホームページをご覧ください。

ページトップへ▲